再び横浜の海老名畳店・吉野さんからお声がけいただき、三溪園の畳工事の助っ人として、共に金沢職大10期生として学んでいる齋藤さんと横浜へ向かいました。
今回手掛けたのは、原三溪が老後を過ごすために大正9年に建てられた「白雲邸」です。この建物は横浜市有形登録文化財に指定されています。茶室や書院があり、畳は当時に作られたと思われる、掛け縫いの手製床の畳が35枚敷かれていました。
「できる限り廃棄せず、大切に残していきたい」との思いを伺い、私たちは畳の締め直し作業を行い、修復に取り組みました。1畳あたり240針を縫い、足で踏みながら締める作業は大変です。私は14.5畳担当し、合計3,480針を縫い、同じ数締め、途中畳の表替え作業も数枚手伝ったらしながら、2回に分けて合計12日間横浜に滞在して無事に完了しました。
金沢職大で最初に習うのが、畳床の締め直しです。この技法は、先人たちが培ってきた貴重な知恵であり、伝統を守り続けるために欠かせないものです。貴重な伝統技能の仕事の機会を与えてくださった三溪園の皆さまをはじめ、親方には心より感謝申し上げます。



熊本八代市のいぐさ農家 小嶋新吾さんのとても綺麗な畳表を使用した表替えでより美しい空間になりました。
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